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カテゴリ:フォード
フォーカスC-MAX -絶大なる安心性能3-

■すっかり話が動力性能の方に行ってしまったが、ここまでをまとめるとつまり、C-MAXは居住性や積載性に関して日本のコンパクト・ミニバンと互角であり、動力性能は2.0Lクラスとしては平凡…ということになる。で、ずっと引っ張ってきた「絶大なる安心性能」だが、これはハンドリングと乗り心地によって構成される「走り」の部分に感じることができるものなのだ。
■C-MAXを走らせると、すぐに多くの人がファミリーカーらしい乗り心地を感じるだろう。もっともそれは国産ミニバンのソフトな感覚とは異なり、張りのあるしなやかな乗り心地だ。路面の段差などを通過する際には、サスペンションが良く動いて実に見事に段差をいなしていってくれる。これなら長距離のドライブで、ドライバーも乗員も疲れにくいだろうな、と思える乗り心地だ。まずこの点において、C-MAXはとても魅力的な1台だと思える。乗員全員をソフト過ぎる乗り心地で疲れさせるのではなく、適度に締まった乗り心地で目的地まで快適に運んでくれる…そんなイメージだ。
■で、驚きなのはそうした理想的な乗り心地を持つ一方でドライバーが操った時の印象、つまりハンドリングが実に優れている点だ。
■単に、ハンドリングが優れている…と記してしまうと、多くの人はイコールでスポーティと想像するだろうが実は違う。ここでいう「ハンドリングに優れている」というのは、操作に対してクルマがスポーティに(あるいは鋭く)動くということではなく、操作に対して極めて忠実な反応を見せてくれるということ。それは決して素早く動く(=クイック)とかそういうことではないのだ。
■実際C-MAXは街中で操作すると、穏やかで滑らかな反応を見せる。ひと言でいえば落ち着きのある動きをする。操作に対するボディのロールなども決して速い方ではないし、ロールの量も少ないわけではない。だからといってロール速度が遅く、ロール量が大きいという表現も適切ではない。ハンドルを操作する量に対して、自然な速度と量のロールが生まれる。言い換えれば「リニアな反応」を実現しているのだ。
■だから、通常の走行における操作に対しては落ち着きがあり、この点でまず頼もしい感じを与えてくれるのである。この手のクルマの中にはハンドル操作に対して手応え感がなく、頼りない反応をするクルマが少なくない。が、C-MAXは頼もしく信頼できる感触を伝えるのだ。

■と、ここまではとても理想的なハイト系ハッチバック…という印象なのだが、驚きだったのは今回の試乗コースで用意されていたテスト用のトラックを走った時の運動性能の高さだった。
■街中で優れた乗り心地を見せ、ハンドリングも落ち着きあるC-MAXを、用意されたダブルレーンチェンジ・テスト(かつてメルセデス・ベンツAクラスが転倒して騒ぎになったあのテストだ)にかけてみると、とても優れた動きを見せてくれたのだ。
■時速70km/hくらいで進入し、左、右、と連続で相当に速いハンドル操作を行うこのテストは、クルマの運動性能のレベルを白日の下にさらし出す。そんなテストをC-MAXで行ってみると、先の乗り心地や落ち着きはそのままに、素早く安定した反応を見せてくれたのだ。
■ここで先にいった、「リニアな反応」が活きていると分かる。街中でハンドル操作した時には落ち着きある印象を与えてくれる一方で、こうしたエマージェンシー的な操作に対しては素早い反応を見せてくれる。つまり素早いハンドル操作に対しては、クルマの運動が素早く行われる。
■しかもC-MAXがエラいのは、こうした素早い運動をしても安定性が少しも失われないこと。左、右、と速いハンドル操作をするだけに、中にはこらえきれずにスピンするクルマもあるが、C-MAXはリアタイヤが存分に踏ん張って、しっかりと姿勢を作り上げる。
■そうした様は、C-MAXのベースとなったフォーカスと同様の印象。つまり、C-MAXは背高ながらも、背の低いフォーカス同等の優れた運動性能を見せてくれたのである。

■そして僕はこれをして、「絶大なる安心性能」と書いたわけだ。
■なぜこうした運動性能の高さが「絶大なる安心性能」なのか? その心はC-MAXがファミリーカーだからである。僕が常々思うのは、多人数乗車を可能にするクルマやファミリーカーといわれるクルマこそ、高い運動性能を持っていなければならないということ。なぜならこうしたクルマたちは、パーソナルなクルマよりも多くの人の命を乗せて走るからである。ならばミニバンやファミリーカーは、自動車の本質である走りに対して、極めて忠実である必要性があるのだ。
■しかし実際には、室内の広さや快適性を求めすぎて、本質である走り=運動性能を犠牲にしているものも少なくないのが日本のミニバンの現状でもある。よく国産ミニバンの試乗会で走りについて不満を述べると、技術者の中には「走り云々のクルマではないので」とか「ミニバンですから」と答える人がいるが、そうした言葉を聞く度に僕は悲しくなる。さらに悲しいのは、ミニバンで走り云々の話をすると、「ミニバンに走りを求めてもね」という意見を聞くことが多いこと。
■もし自分が家族を乗せて走る…と考えたとき、それらの人は本当にそうした言葉をいえるのだろうか? と僕は思う。
■話がすっかりそれてしまったが、C-MAXの高い運動性能に、僕は感心し「これぞ絶大なる安心性能だ」と感じたのだった。つまりC-MAXは、室内の広さや動力性能で見ると平凡だけど、運動性能に関しては極めて素晴らしい1台であり、ファミリーカーとして一番重要なものは何か? ということを静かに物語っているクルマに思えたのだった。
■お問い合わせ:フォード・ジャパン
フォーカスC-MAX -絶大なる安心性能2-

■絶大なる安心性能って何? と多くの人が思っているだろうが、まずはメカを少し説明させていただこうと思う。C-MAXに搭載されるエンジンは2.0Lの直列4気筒DOHCで、最高出力145ps/6000rpm、最大トルク18.9kgm/4000rpmを発生する。正直この数値は、2.0Lエンジンとしては平凡なもの。中には同じ排気量ながら最高出力で170psくらいを発揮するもののあるし、最大トルクでも20.0kgmを上回るモノは多い。

■さらにC-MAXおよびベースとなるフォーカスで唯一悔やまれるのが、組み合わせられるATが4速と、スペック上寂しいものになることだ。ライバルは今や5速ATは当たり前、中には6速ATを搭載するクルマも増えてきているほどである。
■そんなわけでC-MAXの動力性能は正直、平凡なのである。が、しかし! 平凡であるのは数値だけの話で、実際に走らせた時の印象は違う。2.0Lエンジンとしては平均的なスペックと、数にやや物足りなさを感じる4速ATの組み合わせながらも、走らせた時にドライバーが不満を感じる部分は意外や少ないのだ。
■特に街中での走行に関して不満は皆無。低回転からキチンと力強さもあるし、加速も刺激的ではないにせよ、実直に仕事をして速度を上げていく感じはしっかりとある。また4速ATであることで、ひとつのギアの守備範囲が広いため、滑らかで穏やかな加速を感じさせるのも良い点だ。最近ではATの多段化によって街中走行でもかなり高いギアに入っている他、ATのギアチェンジが頻繁に行われる傾向だが、C-MAXの場合ギアの段数が少ないという本来デメリットとなる部分が、街中では逆に煩わしくなく穏やかな感覚を与えてくれるのでいい。もっとも高速道路などを走った際には、やはり5速や6速ATが欲しくなるのが正直なところなのだが…。

■と動力性能の話をしていたら、すっかり文字数を使ってしまったので、この続きは「絶大なる安心性能3」で展開することにしたい。
■お問い合わせ:フォード・ジャパン
フォード・フォーカスC-MAX -絶大なる安心性能1-

■フォード・フォーカス・シリーズに新たに加わった新モデル「C-MAX」は、一見すると日本で流行のコンパクト・ミニバンに見える。しかし実際の室内は2列シートの5人乗り仕様。つまり、5ドアハッチバックながらもプラスαの居住性や積載性を実現した1台なのだ。
■欧州ではこれまで5ドアハッチバックといえばベーシックなフォルムを持つものがほとんどだったが、最近では日本車の影響か背高のいわゆる「ハイト系」が増えつつある。事実欧州市場ではC-MAX以外でも、シトロエン・ピカソやVWゴルフ・プラスといった「背高だけど5人乗り」というユーティリティに優れた5ドアハッチが存在し、勢力を増しつつある。このジャンルはまだ呼び名が確立されていないが、差詰め「ユーティリティ・ハッチバック」という表現が相応しいだろうか? どのモデルもベースの5ドアハッチバックに対して、背高で広い室内空間と荷室を備える点で共通している。

■C-MAXもそうした例に漏れず、高い居住性と積載性を確保しており、加えてサイズ的にも価格的にもファミリーカーに相応しい1台といえる存在。特に後席は3人がけとなるがシートがセパレートしており、例えば後席両側にチャイルドシートを付け、中央に奥様が…というようなシチュエーションにも対応してくれる。国産のコンパクト3列ミニバンなどと比べるとこの点は実に頼もしいアドバンテージ。なぜなら国産のミニバンの2列目シートはサイズが小さい上に、C-MAXのようなセパレート式は珍しい。となると、小さな子供2人の4人家族では意外や不便があるのも実際なのだ。が、C-MAXの場合は2列5人乗りと割り切られるため、後席の居住性は高い(といいつつ肝心の後席写真がありません、スイマセン)。
■とはいえ日本のミニバンも決して負けておらず、後席のシートアレンジの簡便さでは圧倒的なアドバンテージがある。実際にC-MAXで後席のシートアレンジを行おうとすると、国産ミニバンでは感じられない「コツ」が必要になってくるのも事実だ。また最近では国産ミニバンも後席にゆとりを追求するものもあるため、正直この辺りの勝負は互角か…というところではある。

■ただ、C-MAXも輸入車としては望外なガンバリを見せている。特にユニークなのは室内にアレルギーフリーの素材を使っていることで、「人に優しい」を謳っている点だ。最近では家屋内ではもちろん車内でもこうした細かな気配りがなされるだけに、ファミリーカーとしてはポイントが高いといえる。
■と、ここまで読んで頂いた読者のみなさんは、「で、C-MAXは何がいいの?」とか「で、どっちがいいわけ?」とイライラを募らせているに違いない。そんな想いに答えるならば、C-MAX最大の美点は、タイトルにもあるように絶大なる安心性能を備えていること。
■そう、つまり走りが極めて優れているのである。というわけでこの話の続きは「絶大なる安心性能2」をチェックしていただければと思う。
■お問い合わせ:フォード・ジャパン
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